今回の衆院選は、民主党が政権を維持するのか、それとも自民、公明党が奪還するのか、はたまた日本維新の会など第三極が勢力をどこまで伸ばすのかが焦点となっている戦いで、大手マスコミの世論調査では早くも優劣がはっきりしてきた。
 本県3区では経験と実績で盤石の態勢を築く自民党前職の二階俊博さんが優勢で、日本維新の会新人の山下大輔さんと共産党新人の原矢寸久さんが追う構図となっている。平成21年の前回選挙を振り返ると、二階さんが11万7237票。民主党の玉置公良さんが10万2342票、幸福実現党の湊侑子さんが5634票だった。
 今回の選挙では民主党候補が出馬していないため、前回の玉置さんの10万票余りの行方に注目している。風も何もなかった17年の前々回で民主党候補の得票数は約5万票だったから、前回の10万票のうち半分は民主党の組織票と反二階票などで構成されていると分析。残りの半分は、政権交代につながる風で入った浮動票や変革への期待票。候補者がなかった共産党支持者の票も一部含まれているといわれているが、共産党は元々の票がそれほどあるわけではないので、ざっくり4、5万票は風があれば自由に動く票といえる。
 ところが3区ではどの候補者にもあまり追い風が感じられない。 維新人気は大阪だとあるが、3区だと微風。強いていうなら民主政権への怒りという追い風を二階さんが受けているぐらいだろうか。そんなことを考えると、あの自由に動く4、 5万票は行き場を失い、 投票率が低下するのではないかと心配。 いま一度、 各候補者の訴えに耳を傾け、 国をつくる1票を投じてほしい。 (吉)