関西電力御坊発電所(寒川広夫所長)で19日、地震によりタンク火災が発生したと想定した総合防災訓練が行われ、発電所自衛消防隊、市消防、田辺海上保安部が参加して連携を確認した。
 午後2時ごろ、県中部を震源とする震度6弱の地震が起こり、送油管が破損して多量の油が流出。余震で火災も発生し、ケガ人も出ていると想定。油流出の拡大防止へ岸壁周辺の海に防油ネットを張り、自衛消防隊と市消防は2台の高所放水車を出動させ、号令とともに一斉放水。力強い水しぶきを上げ、災害への初動態勢を確認し合っていた。海上では油回収中の作業員が転落したとし、海上保安部がボートで救出。タンカー火災も想定し、巡視船からの放水も実践した。
 市消防の小畑秀樹署長は「万が一事故が発生した場合は対応力と連携力が大切。さらなる訓練を重ねていこう」と講評。田辺海保の稲澤敏史次長は「南海地震の発生が懸念されており、関係機関が一体となった対応で被害を最小限にくい止めよう」と一致団結を呼びかけ、寒川所長は「事故を発生させない強い意志で設備の保全に取り組んでいく」と決意を新たにした。