思い返せば小中学校時代、毎年2学期が始まって間もないころは、汗だくになりながら教室で授業を受けていたが、特に苦にはならなかった。名古屋で過ごした大学時代もアパートの部屋はクーラーを付けずに乗り切れた。やっぱり「慣れ」というものだろうか。ちなみにいまは会社でも取材先でもクーラーの効いた場所が多いので、その慣れもどこへやらである。
 さて近年の猛暑で全国的に小中学校へのクーラー設置が進められており、御坊市でも計画中。29日にはいのちとくらしを守る日高連絡会のメンバーが早期設置を求める要望活動を行った。半面、クーラー設置については「昔から我慢してこれたのだから、いまの子にも必要ない」と、疑問視する声もある。
 しかし、昔といまの状況を同じようにとらえるのは無理がある。近年は温暖化の影響なのか、酷暑の夏が続いており、暑さにそれこそ慣れているはずの甲子園球児でさえ熱中症で倒れている。そんな中でクーラーの設置は子どもたちの健康、勉強の効率などから考えれば、もはやぜいたく品ではないと言える。また、部活でスポーツをしている子どもにとっては体の冷やし過ぎはよくないが、がんがんにクーラーを効かせるわけでもないだろうから、心配ないと思う。さらに学校への設置は近年の節電ブームに逆行することになるが、子どもの健康を考えれば十分に許容できる範囲だろう。
 とはいうものの、個人的には「世界にはもっと暑い地域があるし、慣れれば大丈夫」なんて気持ちも心の片隅にある。しかし、「それならあなたはクーラーなしで過ごしたら」といわれても困る。だからぜひ子どもたちにもクーラーを   (吉)