田辺市龍神市民センターで10日から大型海生爬虫(はちゅう)類「モササウルス」の化石展が始まった。20日まで。
 トカゲやヘビに近く水中生活に適応した爬虫類で、鋭い歯をもち、魚類を捕食していたと考えられる。体長は普通5~6㍍だが、大きくなると10㍍を超えるといわれている。白亜紀の後期(約6550万年前)に恐竜やアンモナイトなど多くの生物とともに絶滅したとみられる。
 田辺市の龍神行政局と龍神教育事務所が主催で、平成18年2月に有田川町で見つかったモササウルスの後ろ足部分の化石を展示。大きさ約40㌢のブロック状の化石が2つ並んでいる。地元在住のチェーンソーアート作家、城所啓二さんが彫った作品「モササウルス」「カルノサウルス」の2体も並べて展示している。大きさはいずれも3㍍程度。初日に訪れた龍神村西の北田花菜ちゃん(8)は、「大昔に生きていた生き物に興味がある」と興味津々で観察していた=写真=。発掘に関わった県立自然博物館(海南)の小原正顕学芸員を講師に迎え、「モササウルスの発見や恐竜のいた時代のことについて」と題する講演も行われた。龍神教育事務所は「夏休み期間中なので、親子で楽しんでほしい」と多くの来場を呼びかけている。