台風12号の被害から1カ月半が経過。 17日までに復旧活動で20回以上にわたって出動した民間災害ボランティア団体・紀州みなべ梅の郷救助隊(尾崎剛通隊長)は、 活動を振り返って「大規模な自然災害では被害は避けられないが、被災後にどう復旧を進めるかが大切だ。南海地震の対応に生かしたい」と教訓を話している。
 台風12号は先月3日、紀伊半島に最接近し、記録的な豪雨で県内に大きな被害をもたらした。救助隊もすぐに復旧支援に取り組み、6日に初出動。地元のみなべ町内で土砂の撤去を進めたあと、日高川町の中津地区や美山地区へも復旧活動に入った。その後、県内でも甚大な被害を受けた那智勝浦町や熊野川町でも活動を展開。水害から約40日が経過したが、20日以上ボランティア活動を行っている。
 16日には一般の参加者も公募し、那智勝浦町の色川地区で活動を展開。この日は同町に設置したボランティアセンターの終了日で、隊員16人をはじめ岩代消防団5人、一般7人の計28人が被災地に出向いた。役場第1庁舎を車で出発。同センターを通じて被災の民家に行き、たまった土砂のかき出しなどに汗を流した。
 尾崎隊長は「台風12号関係では、今後も要請があれば出動していく。今回の一連の活動を、近い将来に発生するといわれている南海地震の対応に生かしていきたい。被災したあとボランティアらの受け入れ体制をどうするのかなど、復旧に対する全体的な取り組みが大切だ」と話している。