少子化の影響で全国的に小中学校などの統廃合が相次いでいる。日高地方も例外ではなく、児童生徒が減少の一途。過去5年間を振り返ってみると、2020年度末に日高町の志賀と比井の2小学校、23年度末には由良町の由良、衣奈、白崎の3小学校が統合した。今年度末には日高川町の川原河、笠松、寒川第一の3小学校が統合し、4月に新しく美山小学校が誕生となる。

 小学校では複式学級が増加。中学校では部活動などで影響がみられ、野球などは単独チームを組むことができずに合同チームが大半を占めるようになった。学校の統廃合は少人数の中で学ぶことに対するデメリットを解消する対策だが、今後も避けては通れない課題といえる。

 地域から学校は消えてしまうのは悲しいこと。しかし、廃校校舎の利用次第では新たな可能性が生まれる。使わなくなった校舎を上手く活用し、地方創生の足がかりとすることも可能だ。全国的な活用事例をみると、工場、県の庁舎、サテライトオフィス、イチゴ農園、宿泊施設などとさまざま。日高地方では比井小学校が地域憩いのカフェ「ひいのの」、屋内型のワサビ水耕栽培施設に改築された。

 寒川第一小学校は26日に閉校式が行われ、歴史に幕を閉じた。笠松小学校は27日、川原河小学校も28日に閉校式が行われる。川原河小学校は新しい美山小学校となるが、寒川第一、笠松の2校の校舎がリノベーションされ、有意義に再利用が進められることを期待したい。そして、その施設に大勢の人が集まり、再び新しい歴史を刻み始めることを願っている。廃校は決して終焉ではない。(雄)