御坊市の65歳以上の割合を示す高齢化率は、先月末の最新データで33・1%だった。介護保険制度がスタートした00年4月1日現在は21・2%で、いわゆる「5人に1人が高齢者」だったが、その後25%を超えて「4人に1人が高齢者」。そしていまは「3人に1人が高齢者」という状況になっており、高齢化社会が加速している。当然、御坊に限った話ではなく、人生100年時代と言われる中、いかに健康で元気に第二、第三の人生を送るかが大きなテーマだ。

 先日、美浜町の祖母が101歳で亡くなった。子どものころからよく母に連れてもらって自宅に遊びに行き、年末には恒例の餅つきをしたのを思い出す。お腹がすいたと言えばラーメンを作ってくれ、高校3年の時、近くの自動車学校に行くときはいつも昼ご飯を作ってくれた。先に94歳で亡くなった祖父がまだ元気な頃には2人に心ばかりの恩返しにと龍神温泉へ一泊の小旅行を企画して一緒に行ったが、結局、旅費を全部払ってくれた。

 そんな祖母は最後まで自宅で一人暮らしを続けた。今年の正月に会った時も、ベッドに座り、耳もよく聞こえてしゃべりも達者。晩年は筆者の母が毎日通って身の回りの世話をしていたが、安らかな眠りにつくその時まで、住み慣れた場所、地域で気丈に暮らし、大往生だったのではないだろうか。

 筆者は人生100年時代の折り返しに入った。祖母を含め戦前、戦後の激動の時代を支え、子孫の繁栄を願った〝日本のお母さん〟に心から感謝しつつ、いまを生きる者として100歳を超えるまで、健康で長生きすることが、彼女らへのせめてもの恩返しになると信じたい。(吉)