カナダでの体験を報告する語り部ジュニアのメンバー

 美浜町三尾、NPO法人日ノ岬・アメリカ村(小薮清信理事長)の中高生の英語によるカナダ移民の歴史伝承、地域の魅力発信を目的とした「語り部ジュニア」育成事業で昨夏、カナダのバンクーバーを訪問した中学生らが先月28日、旧三尾小学校で海外研修の報告を行った。

 語り部ジュニアは毎週日曜、旧三尾小に集まり、地域の人たちとともにまちの歴史や文化、観光スポットを調査・学習。三尾から海を渡った移民の世代交代が進み、日本との交流の機会も少なくなっているなか、三尾を訪れた外国人を英語で案内できるようにと、とくに移民の学習と英会話に力を入れて取り組んでいる。

 カナダ研修は4年ぶり2回目、今回はリーダーの柳本文弥さん、英語指導の出石美佐さんら5人のスタッフと、祭本知里さん(日高高1年)、森美月さん(和高専1年)、森祐月さん(松洋中2年)、宮本芽依さん(丹生中2年)の女子4人が参加。昨年8月16日から1週間の日程で、カナダ西部のバンクーバーなどを訪問した。

 バーナビーの日系ナショナルミュージアム、バンクーバー島キャンベル・リバーの博物館、戦時中に「敵性外国人」となった日系移民が強制的に移住させられたタシメ収容所などを訪問。「カナダの三尾村」とも呼ばれる港町スティーブストンでは日系2世の人たちによる歓迎の食事会が開かれ、語り部ジュニアの参加者は練習してきた英語で三尾の歴史、自分たちの活動を紹介した。

 祭本さんは「3日目の夜、現地の商工会議所の皆さんが開いてくれた歓迎会での発表はすごく緊張したけど、大きな拍手をもらい、自分に自信を持てました。食事の際も多くの人が分かりやすい英語で私たちに声をかけてくださり、将来の夢などについて話し、アドバイスももらうことができました。今回の研修で私の世界が広がりました」などと、興奮と感動のカナダ訪問を笑顔で振り返った。