ガスを噴射して本番さながらに殺処分作業

 県は18日、印南町体育センターで高病原性鳥インフルエンザの発生を想定した防疫演習を実施し、県職員や県内の畜産関係団体など約150人が参加した。

 演習は鳥インフルエンザの発生シーズン(10月~4月)に合わせ、県と公益社団法人畜産協会わかやまとの共催で毎年実施している。昨シーズン、県内では昨年11月に和歌山市内の農場、白浜町のアドベンチャーワールドの2件で発生。今シーズンもすでに北海道で発生が確認されており、警戒が強まっている。

 午前中は現地対策本部会議の設置訓練を行った。ニワトリ約4万6000羽が飼育されている印南町内の農場で発生したとの想定で、対策本部設置の一連の流れを確認。現地での消毒や殺処分の作業は主に県職員が行うこととなっており、今回の想定では一日に約600人が必要になる。訓練では必要作業の体制、応援職員の受け入れといった項目についてチェックを行った。

 午後からは実地演習が行われ、実際に農場付近で作業をする「現地防疫センター」を再現した状態でシミュレーション。県職員20人が、ゴーグルや長靴など防護服の装備から消毒など一連の準備を行い、ニワトリの追い込みや殺処分の方法、後処理の方法まで一つ一つの行動を実践した。

 県畜産課の吉川克郎課長は「鳥インフルが万一発生した時は、初動をいかに迅速にできるかが大切。想定外のことがないよう、対策を徹底し、万全に備えたい」と話していた。