由良町門前、臨済宗鷲峰山興国寺(山川宗玄住職)で15日夜、火祭りが行われる。今年も県指定無形文化財の灯ろう焼きを実施。11日に檀家で羽山表具店勤務の岡良次さん(59)と妻裕加里さん(57)が寺を訪ね、大灯ろうを奉納した。
開山以来750年以上続く盂蘭(うら)盆会の精霊送り行事。地元小学生の「たいまつ踊り」、力自慢の若衆による「土俑(どよう)担ぎ」は行わず、今年も午後8時から法要が始まり、同寺東の無常堂に移動。灯ろう焼きのみ行われる。
岡さん夫婦の大灯ろう奉納は18年目。全長約4㍍、ヒノキと和紙で作られ、上部に同寺の紋「笹竜胆(りんどう)」や花、側面に「南無阿弥陀仏」の切り抜き文字や網状の飾りが施されている。
今年も檀家が持ち寄る切り子灯ろうを製作したあと7月下旬から作業開始。この日早朝から法堂(本堂)で仕上げた。奉納後、良次さんは「コロナはまだ終わっていませんが、普段の生活が戻りつつあります。灯ろう焼きを通してご先祖様を供養していただければ幸いです。皆さんの健康や世界平和、一日も早い平常が戻るよう願いたいと思います」と話していた。