昨年1年間、国内での出生数は79万9728人で、統計を取り始めた1899年以降初めて80万人を割ったという。国立社会保障・人口問題研究所の2017年時点での推計では、80万人を割るのは2033年としていたが、想定を大幅に上回るスピードで少子化が進んでいる。新型コロナ禍が影響した。コロナで結婚を先延ばしにしたカップルが多く、コロナ前に比べて婚姻数が大幅に減ったことも大きな要因。とはいえ、コロナがなくても少子化、人口減は年々深刻で、歯止めは国の最大の課題といえるが、明るい兆しは全く見えない。この先、どんな国になるのか不安は増す一方。

 筆者は第2次ベビーブーム翌年の1975年生まれ。小中高校時代の同級生の数と今の児童生徒数を比較すると、ぞっとするほど少ないと感じている大人の方は多いだろう。少子化対策は国に任せざるを得ないとして、今直面している大きな課題に中学校の部活がある。野球やバレーなど1校単位でチームが組めないところが圧倒的で、合同チームがほとんど。合同といっても、地域の離れた学校同士が組んでいることが多く、合同練習もそれほどできないのではと、心配してしまうこともある。

 今春からは、中体連の大会にクラブチームの参戦が可能になる。日高地方の自治体では、種目を限定し、学校単位ではなく町単位でクラブチームとしてチーム編成する動きもある。遠く離れた学校との合同チームよりもずっと効率がいいし、競技人口の確保としていい取り組みだと思う。当分は模索が続くだろうが、少子化の中だからこそ、子どもたちがやりたいことをできる環境を大人が作ることがより求められている。(片)