地域住民、関係者へのお披露目会の様子

 印南町印南原地区の活性化に取り組む住民グループのいなはら友遊は、稲原小学校向かいにある空き家を改装し、住民の交流拠点「いなはら友遊」をオープンさせた。23日にはオープンを記念したお披露目会が開かれ、地元住民や関係者に内部を公開した。

 いなはら友遊は、地元の老人クラブみのり会のメンバーが中心となり、「住民が楽しく過ごせる地域にしたい」との想いで活動をスタート。印南原地区の高齢化による農業の後継者不足、買い物難民などの課題解決に向けさまざまな取り組みを行っている。

 完成した交流拠点は、現在、大阪市で会社を経営している鍬先篤さん(73)が暮らしていた空き家を無償で貸与。鍬先さんが改修のための資金を寄付したほか、総務省の過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業の補助金を活用し、メンバー自らが作業を行った。

 お披露目会では会長の坂井誠治さんが「いなはら友遊は旧稲原村の住民全員がメンバーだと思っています。住民の皆さんにこの拠点を自由に使って頂き、人と人との結びつき、信頼関係を大切にしたまちづくりを進めていきたい」と述べた。見学した地元の70代の女性は「この辺りは通ることはなかったですが、この場所ができたことで来る機会が増えそうです」と話していた。

 拠点では今後、遠出が困難な高齢者に向けた日用品の販売、子どもたちが気軽に立ち寄れるよう駄菓子販売などを行い、お年寄りと子どもが一緒に過ごせる世代間交流の場として活用していく。裏には児童公園も設置。子育て支援の活動拠点としても整備し、次の世代へとバトンをつなぎながら、地元の活性化に取り組みたいとしている。