山本さん(左から2人目)がデザインした海抜表示と左から中村さん、中尾さん、城下准教授(地方地区で)

 印南町の防災を支援しようと、今年度から関西大学社会安全学部の学生がさまざまな取り組みを行っている。町には定期的に訪れており、フィールドワークを通して支援のアイデアを学生自ら考案。そのアイデアを防災のまちづくりに生かしてもらいたいとしている。


 同大学で防災教育、自然災害科学を担当する城下英行准教授のゼミ生で、学習の一環としての取り組み。城下准教授が2012年から町の自主防災組織に入り研究を続けていることが縁で、ゼミ生も何かできることはないかと活動を開始した。


 中村康生さん(21)は、住民の防災意識について研究している。いなみシニア学園の学園生の意識を明らかにしようと、「避難訓練に参加しているか」「日ごろの備えを行っているか」などを問うアンケートを作成。先日、授業の1コマを借りて意識調査を実施した。山本朝日さん(21)は、海抜表示の掲示板を自らデザインし作製。掲示板は光川、地方(あげ)地区の協力を得て、2地区合わせて11カ所に掲示した。今後も各地区の協力を得て掲示場所を増やしたい考え。中尾玲香さん(22)は印南小と連携し、地区内の避難場所を巡りながら防災クイズに挑戦するスタンプラリーを企画した。1月19日の開催が決定し、現在着々と準備を進めている。


 学生たちの取り組みについて、城下准教授は「私自身長らく印南町で研究を続け、何かできることはないかと思っていました。学生たちの力で、町の防災につながるお手伝いができれば」と話している。