小さい頃からボールを投げたり、箸を持ったり、基本は左手を使う。字だけは習慣付けられたのか右手でペンを持って書くが、絵筆は左を使うという、器用なのか、余計面倒なのかよく分からない。昔ピンク・レディーの歌にもあった「サウスポー」の響きは気に入っている。

 全世界の人口で左利きは1割しかいないそうで、確かに右利き用に作られている道具が多い。例えば包丁やハサミ、カメラのシャッターも右指で押すようになっている。右手用のハサミを左手で使っても切れないわけではないので、さほど気にしたことはないし、数は少ないが左利き用のハサミや両刃の包丁も売っているため、日常生活ではそんなに不便を感じたことはない。

 お盆に入る8月13日が「国際左利きの日」であることを、恥ずかしながら最近知った。1992年のこの日、イギリスの民間団体が左利きの生活環境の向上を図ろうと誰もが安全に使える道具の開発を各種メーカーに対して呼びかけることを目的に提唱、制定されたそう。日本では、この日が盆に当たるため左利き道具の普及活動などができないとして、英語で左を意味するレフトと読める 2月10日(0210)を「左利きの日」としている。

 昔は嫌がられ、直された「ギッチョ」。最近は左手で字を書く若者の姿もよく見る。字の書き順からすれば右手の方が書きやすいのだが、左で書いて慣れてしまった人はそちらの方がやりやすいのは当然。本人がそれでいいなら、あえて右利きにする必要はないだろう。多様性が求められる現代社会においては、左利きもまた一つの個性として受け入れられるべきであるのは言うまでもない。(吉)