保護者に見送られ退場する卒業生(南部)

 日高地方の県立日高、紀央館、南部高校と私立の和歌山南陵高校で1日、卒業式が行われ、3年生たちが巣立っていった。各校とも消毒、マスク、換気などのほか、校歌をスピーカーで流すなど昨年に続き新型コロナ対策を行って実施。答辞では、コロナ禍で制限ある学校生活の中、支えてくれた先生や家族への感謝を述べ、母校への誇りを持ってこれからの人生を歩む決意を示した。

 日高では普通科177人、総合科学科37人の合計214人が卒業。卒業証書授与の後、村岡宏起校長が式辞。コロナ禍でさまざまな制限があった学校生活を振り返り、「この困難が大きな経験となり、人生を生き抜く礎となることを願います」と述べ、また4月から成人年齢が18歳に引き下げられることについても「社会に参加する心構えを持って責任ある行動を」と呼びかけ、それぞれの夢実現へエールを送った。答辞では早瀬直輝君が、ともに学校生活を過ごした仲間や先生、家族らに感謝の気持ちを示し、「胸を張って卒業します」と力強く述べた。

 紀央館では普通科114人、工業技術科32人、計146人が巣立った。卒業生は胸に赤い花を飾り、拍手の中を入場。久原享校長は各クラス代表に卒業証書を手渡し、「社会への一歩を踏み出す皆さんには、学び、考えること。思いやりの心を大切にし、豊かな人間性を備えること。この二つをお願いしたい」と式辞した。中野樹(いつき)さんが卒業記念品目録を贈呈。普通科2年の角美咲さんが送辞、卒業生を代表して工業技術科の吉田礼斗(あやと)君が答辞を述べた。コロナ禍での文化祭や部活など振り返り、「この3年間は一生の財産」として恩師や家族、仲間に感謝した。

 南部では普通科88人、食と農園科33人の計121が卒業。神藤恭光校長は式辞で五木寛之の言葉から「人生とは選択の連続である」を紹介し「皆さんには無限の可能性がある。自分を信じ、自分の可能性にかける勇気と決断がこれからの人生を切り開いていく。自分の選んだ道を堂々と歩いて行ってほしい」とはなむけの言葉を贈った。卒業生の小山潤成君は答辞で教諭や同級生、家族に感謝を述べ「コロナ禍の中でこそ、人と人とのつながりの大切さを学んだ。南部高校で培った力を胸にそれぞれの場所で頑張る」と決意を述べた。

 和歌山南陵では普通科35人が卒業。ソーシャルディスタンスを保ちつつ卒業生が入場した。小野和利校長が各クラス代表に卒業証書を手渡し、「3年前の入学時は幼さがあったが、頼もしく立派になって感無量。人生苦しいことが多々ありますが、それを乗り越える努力をしてください」とエール。答辞では、古家一輝君が「寮生が多く、部活に行っては寮に戻ってまた部活の繰り返しでしたが、仲間と過ごした日々は宝物です」と一緒に過ごし支えあった仲間や、親に感謝の言葉を述べた。また、担任教諭が3年間の思い出をまとめた動画も流された。