先日、秋田県の佐竹敬久知事(73)が、同県内の高速道路で私用車の運転中に単独事故を起こし、ニュースになっていた。それによると、事故は日本海沿岸東北自動車道の下り線であり、佐竹氏の車が中央分離帯のロープに接触。その後の会見で「不注意でご迷惑をかけ申し訳ない」と陳謝。運転免許の返納について「来年の(免許更新時の)高齢者講習でチェックして考えたい」と述べていた。

 高齢者の違反運転や交通事故がクローズアップされ始め、2017年の道路交通法改正で、75歳以上の人は運転免許更新時に「認知機能検査」が義務付けられた。19年4月には東京・池袋母子死亡事故が発生。20年の道交法改正では運転技能の確認のための実車試験が追加されている。

 昨年1年間の御坊署管内での運転免許証自主返納件数は、過去最高だった前年比55件減の249件。一方、御坊市と美浜町で今年度から、運転免許証の自主返納を後押しする事業が始まった。同署によると、これで管内全6市町で支援制度が完備。公共交通網が充実しておらず、「車がないと生活できない」という田舎特有の課題はあるが、高齢ドライバーの事故減少に向けて一層の自主返納を促している。

 昨年、御坊署管内で発生した人身事故は56件で、傷者62人、死者1人。このうち65歳以上の高齢者が関係する事故は27件で、全体に占める割合は50%近くに上り、県内の約41%と比べて高くなっている。さまざまな安全装置が開発され、サポートカーが普及。車の安全性能も向上しており、一概に高齢者だけが悪いとは言えないが、運転に不安を感じたり、おぼつかなかったりが多くなってくれば、事故を起こす前に考えてみてほしい。   (笑)