首都圏4都県に加え、大阪、京都、兵庫など7府県が緊急事態宣言対象区域に追加された。全国のコロナ感染による死者数は4000人を超え、毎日増えていることに胸が痛む。感染者が増えれば重症者の割合も増えるのは当然。和歌山県内は近隣府県に比べればまだ少ないものの、感染者は増加しており、予断を許さない。全国的な状況を見る限り、緊急事態宣言が全国を対象とされるのも時間の問題かもしれない。ただ、宣言の有無にかかわらず、少しでも感染リスクを避ける行動を今一度心がけたい。

 今年はコロナ禍で迎えることになる、阪神淡路大震災から17日で26年となる。40代半ばの筆者が生まれて初めて経験した未曾有の災害といえばこの大震災である。大阪にいたため大きな被害はなかったが、テレビから流れる被災状況はとても現実のものとは思えなかったのをはっきりと覚えている。そして10年前の東日本大震災、まだ道半ばなれど、着実に復興が進んでいる。その後も紀伊半島大水害など甚大な被害を及ぼす、未曾有の災害は近年頻発している。多くの尊い命が犠牲になった。そして悲しみを乗り越え、前に進んできた。「頑張ろう、ニッポン」のように皆が団結したからだろう。

 今、コロナという未曾有の災厄、これまで乗り越えてきた災害の時とは様相が違う。災害とウイルスは根本的に形態が違うので仕方ないが、団結して乗り越えようという雰囲気はそれほどでもない。敵はウイルスのはずなのに、感染者ら人への攻撃が目立つ。この踏ん張りどころを乗り切るため、国などトップの強いリーダーシップと、人々の団結力が求められているような気がする。(片)