JR西日本が運行する人気観光列車「WEST EXPRESS 銀河」が来年夏から秋、京都│新宮間を走ることが決まった。銀河が県内に乗り入れるのは初めて。車内や停車駅では、運行ルート沿線の特産品や名産品の販売なども行われ、鉄道愛好家だけでなく、地域活性にも期待が高まっている。

 「銀河」は、多様性やカジュアルとくつろぎの両立をキーワードに新たな長距離列車として、今年9月、大阪・京都と出雲を結ぶ山陰ルートで運行を開始。列車名には、西日本エリアを宇宙に、各地の魅力的な地域を星になぞらえ、それらの地域を結ぶ列車という意味を込め、車体カラーの瑠璃紺色は西日本が誇る美しい海や空が表現されている。

 列車は6両編成で、グリーン車や個室、女性車両、フリースペースなどが設けられ、車内では、沿線の特産品、名産品の販売、地元料理店が手がける郷土料理や特産品を使った特製オリジナル弁当、スイーツが提供される。停車駅では伝統文化の紹介などのおもてなしを行う日もある。

 運行方面は時期によって変わり、現在は大阪・京都と下関を結ぶ山陽ルートを走っており、2021年の春は再び山陰ルートで運行。その後、夏から秋は京都―新宮間で運行されることが決まった。和歌山ルートは京都発の下りは夜行、上りの新宮発は昼行列車となっている。JR西和歌山支社によると、ダイヤや停車駅、社内販売品などは、これから検討していくという。

 御坊市の鉄道愛好家小池淳司さん(37)は、「手の届く金額で、くつろぎの旅ができる銀河はコロナが収まればぜひ乗りたい列車。国鉄時代の古い車両を改良して使われているので、沿線を走ればモーター音の違いもわかります。停車駅やどんなダイヤで走るのかも楽しみです」と今後の決定にも注目。

 日高振興局で観光振興、優良県産品の認定、推奨など地域の活性化に関する業務を行う企画産業課は「物品販売や観光などPRのチャンス。1市6町が連携する準備はできているので乗客に喜んでもらえるものをアピールしていきたい。日高地方に停車駅を設けてもらえることを期待したい」と話している。

写真=来夏、京都│新宮間を走る銀河