県内の今年9月の有効求人倍率は季節調整値で0・96倍と8月に続き1倍を切った。この低水準は2014年2月以来で、今年に入り新型コロナの影響を受け低下が続いた。それまでは高水準で推移し、昨年は平成に入り最も高い値となる1・45倍を出した4月を含め、1年間の平均は1・4倍を超えていた。

 有効求人倍率1倍で、仕事を探している人と、企業が求める人材数が等しくなるが、双方に条件があり、なかなかうまくいかないもの。昨年までの高水準であれば、慢性的に企業は人手不足に陥り、「募集をしても応募がなくて困る」という声をよく聞いた。

 では、有効求人倍率が低下した現在は、企業の人手不足は解消されたのかというとそうではない。相変わらず、「募集しても人が集まらない」のが現状。先日、大臣表彰の受賞で取材した社会福祉法人の事務局長も、「人材育成したいが、育てる人が集まらない」と頭を抱えていた。

 労働局やハローワークの発表で出てくる仕事を探している人たちはどこにいるのだろう、今年9月にハローワーク御坊で新規求職登録した168人の人は、どんな条件の仕事を希望しているのだろう、と考えてしまうのは、日高新報社でも現在社員を募集しているから。

 記者、広告営業、販売店との調整や購読者の管理、パソコンを使って記事を紙面に組んでいく工務。どれも新聞の発行に欠かせない仕事。それぞれ業務は異なり、適性が生かせたり、やりがいを感じたりする仕事が見つけられると思う。かくいう筆者も記者に適性があるとは言えないが、入社して2年半、毎日があっという間に過ぎ、それなりに楽しくやっている。新聞づくりに少しでも興味がある人はぜひご一報を。(陽)