県立医科大学は27日、皮膚がん発症の新たなメカニズムを解明したと発表した。

 皮膚がんは太陽光などに長時間さらされたり、長期にわたる皮膚の炎症などで発症。今回、同大学では炎症や免疫に関係する「ケモカイン」と呼ばれるタンパク質(CX3CR1)に着目。マウスを使った実験などでケモカインが欠けた場合、がんを増加させる役割を持つ白血球(М2マクロファージ)やがんの増大に必要な血管の発生を減少させることが分かった。

 同大学医学部法医学講座の石田裕子准教授と同大学医学部皮膚科学講座の山本有紀准教授が会見を行い、「ケモカインを抑制すれば、皮膚がんが減弱することが解明された。ケモカインをブロックする薬剤開発など、新規治療法の開発につながる。今後、医大でも研究していきたい」と述べた。

 研究成果は米国研究皮膚科学会の学術雑誌に掲載予定となっている。