みなべ町は来年度、女性消防団員の「消防団女性分団」を発足させる。日高地方では初めての取り組みで、団員10人を募集中。男性団員のように火災現場に出動するのではなく、町民の防火や防災意識を高めるための広報や啓発が主な任務となる。応急手当て講習の講師なども担い、女性ならではの活動で主婦層をはじめ子どもからお年寄りまで町民の安全安心を守る。

 全国的に女性の消防団を組織する自治体が増え始めている中、みなべ町では昨年度から議会総務文教常任委員会で議論・提案された経緯もあり、団幹部との協議の結果、発足させることにした。県内では田辺市などで組織されている。

 町民の防災意識を高める中心になってもらうのが狙い。男性の団員とは活動が異なり、火災の現場での消火活動等は行わない。

 全国的には火災時の野次馬への対応などを行っている自治体もあるが、みなべ町ではまだ具体的に決まっておらず、車両で町内を巡回して広報したり、町民に対して応急手当の指導、高齢者宅を訪問して防火等に関する啓発を活動の中心にする計画。出初め式への参加や礼式の訓練も行い、女性団員だけの会議は定期的に開くことにしている。

 対象は町内に在住・在勤の18歳以上。男性団員と同様、条例に基づいて報酬や手当を支給する。活動服は男性と同様だが、制服は女性用のデザインにする予定。応募は来年2月28日まで。

 役場総務課消防防災室では「女性が直接主婦層などに呼びかけることによって、啓発効果はこれまで以上に大きくなると思います。防火意識を高めてもらうことが失火等を防ぐことにつながるので、女性の皆さんの力を貸してほしい」と協力を求めている。

 申し込みや問い合わせは役場総務課消防防災室℡0739―72―2051。