中国とロシアが軍事同盟を締結するとかしないとか。一部報道では「両国指導部は同盟締結の方針を決定済み」とあるが、ロシアの軍事専門家は「それは両国政府の公式発表ではない」とし、どちらも軍事同盟を締結する意図はないだろうという。
しかし、昨年の極東ロシア軍の大規模軍事演習に初めて人民解放軍が参加し、今年は中央ロシア軍の軍事演習に中国軍が参加した。7月には両国の爆撃機が島根県の竹島上空を侵犯。さらに先月にはロシアが中国の核ミサイル早期警戒システム構築を支援していることを明らかにした。
軍事同盟とまではいかずとも、日本人と価値観が異なる両国の一連の動きは、米国とその同盟国に対抗する軍事協力であり、いまや中国こそが共産主義勢力の盟主のようにも見える。
先の中国とASEAN首脳会議は、南シナ海の紛争防止に向けた行動規範を「今後2年以内の策定を目指す方針で一致した」という。なんとも苦しいが、加盟国にとって中国は最大、共通の脅威であると認識しながらも、精いっぱいの結果か。
米国のトランプ大統領は先日、米軍特殊部隊の襲撃により、シリア北部に潜伏していたIS指導者が死亡したと発表した。「これで世界は平和になった」と胸を張るが、シリア米軍の撤退は再びロシアを勢いづかせ、米国の敵であるイランにまで追い風が吹くことになるのでは。五輪を控える日本人の不安も大きい。
中東の混迷の元凶は英仏による身勝手な分割統治にさかのぼるが、国際秩序を脅かす火種は第1次大戦後100年が過ぎたいまも消えない。中ロの不穏な動き、イスラエルをめぐるパレスチナ問題も含め、米国目線の情報に偏らぬよう注意したい。(静)


