第101回全国高校野球選手権和歌山大会は、優勝候補筆頭だった智弁和歌山の3年連続24回目となる優勝で幕を閉じた。先月12日に開幕、29日決勝の16日間の熱戦。とくに梅雨明けの24日以降、一気に気温が高くなり、選手たちのコンディション調整も難しかったと思うが、紀三井寺公園野球場では最後の最後まで全力プレーが繰り広げられていた。

 本紙エリアの7校は、南部のベスト4が最高成績となった。南部はノーシードだが、昨秋に近畿大会へ出場した実力を持つ。新翔戦3回4長短打4得点、近大新宮戦2回4長短打4得点、5回7長短打7得点をはじめ、市和歌山戦も安打を集中させて接戦を制した。打っても守っても走っても、とにかく思い切りのいいプレーを見せ、古豪に恥じない戦いぶりだったと思う。

 日高は自慢の打線が力を発揮できていたし、和歌山高専は初戦の土壇場での逆転勝ちが印象的。紀央館は雨天ノーゲームの再試合をしぶとくものにする粘り強さが光っていた。日高中津、和歌山南陵は初戦敗退だが、ともに選抜8強の強豪に善戦。南部龍神も箕島相手に好勝負を演じ、見どころは多かった。

 本紙エリア勢の夏の甲子園は、また持ち越された。優勝した智弁和歌山は5試合で1失点。力のある複数の投手をうまく起用し、付け入る隙がほとんどなかった。本紙エリアでは有力な投手を何人も集められる学校はなく、智弁と同じような采配で試合に臨むことは不可能に近い。では「打倒智弁」を達成するにはどうすればいいか。大変な難問だが、解く手がかりくらいは見つけられないと厳しい挑戦が続きそう。指導者、選手たちの奮起に期待する。(賀)