印南町の稲原中学校(保田勉校長)は6日、学校北側の田んぼで田植えを行い、全校生徒32人が作業に汗を流した。

 一列に並んだ生徒たちは、地域住民やJA紀州の職員と協力して約6・5㌃の田んぼに一束ずつ丁寧に苗を植えていった。毎年の恒例行事となっており、3年生は泥だらけになって楽しみながらも、慣れた様子で手際よく作業を進めていた。この日植えたのはもち米で、秋に収穫し、地域住民らと餅つきなどで交流する。

 同校では「稲中農業」と称して2005年から農業体験学習を始め、米以外にも白菜や大根などさまざまな野菜や果物を栽培。農業を通して食やまちの主産業を学び、主体性や協調性を養いながら地域住民らと交流を深めている。

 3年生の松本幸那美(こなみ)さんは「楽しいことだけでなく、しんどいこともあるけど、収穫の喜びと地域の人に喜んでもらえることが励みになります。『稲中農業』を誇りに思うので、しっかり受け継いでいきたいです」と話していた。

写真=笑顔で作業をする生徒