日高町小池の奥田洲子さんが月、水、金曜の週3回限定でカフェ「萩」をオープンさせた。方杭の温泉館に勤めていた頃、入浴客のお年寄りから「温泉に入ったあとどこで時間を潰そうか」「どこも行くとこないよ」などの声をよく聞いたことで、「高齢者の居場所をつくりたい」と長年思い描いていた夢。自宅を開放して、だれでも自由に交流できるサロンのような場で、オープンまでこぎつけた奥田さんの行動力に感心させられる。

 同町内では、町が2018年度から世代を超えた交流の場として地域カフェ(サロン)を開設。地域を巡回する形で行っているが、他市町のサロンと比べ回数的にまだまだ充実しているとはいえない。そんな中、今回のように民間主導で憩いの場となるカフェがオープンしたことは、まちの福祉充実の観点から頼もしい話で、よいモデルケースになるのではないだろうか。

 もちろん、萩のオープンは、奥田さん一人の力ではなく、仲間の協力も欠かせなかった。奥田さんの強い思いに賛同して、みんなボランティアでの協力。今後も多彩なプログラムを計画しており、おはなしの会の読み聞かせ、英会話、ハミング、クエ体操、ボケ防止体操、そろばん、料理、手芸、折り紙、囲碁・将棋、マージャン、頭の体操、悩み相談なども行っていくという。

 みんなそれぞれ無理をせず、自分ができる範囲で頑張る。そういったゆる~い感じでのスタートが、より一層協力の輪を広げたのではないだろうか。今後長続きさせていくためにも、ゆる~いスタンスがちょうどいい。運営する側も来場する側もみんなが笑顔になれる場になることを期待したい。(吉)