日高川町地域おこし協力隊として2015年から17年12月まで寒川地区で活動していた近藤雄一さん(33)=滋賀県出身=が、寒川地内を拠点にパソコンサポート業を起業した。「楽天」でシステムエンジニア(SE)として働いたITスキルを活用し、地域の情報発信力をサポート。「仕事がないといわれる地方でも、こんな仕事ができるということを示せれば」と意欲を見せている。

 近藤さんは福井高専、金沢大学、同大学院で情報技術について学び、卒業後は日本有数のIT企業「楽天」に入り、SEとして「楽天トラベル」のシステム開発に携わってきた。楽天で約4年勤め、地域活性化に興味を持ち、日高川町の地域おこし協力隊に応募した。

 協力隊では寒川地区の担当となり、「ホタル・ホタル祭りの復活」「原木椎茸栽培」などに取り組んだ。ホタルの復興では中止になっていたホタル祭りを「寒川ワンダフルナイト」という新たなイベントで復活。イベントは毎年行われており、地域の活力向上に貢献。ITスキルを生かし、さまざまなホームページを作るなど、情報発信分野でも活躍してきた。

 退任後も寒川に残り、新事業を模索。昨年11月に試験的にフェイスブックなどでパソコンサポートの仕事を受け付けたところ、友人、知人以外からも多くの注文があったことから、国と町の地域おこし協力隊支援補助金(国100万円、町50万円)を受けて、「そうがわパソコンサポート」という〝屋号〟で本格的にスタートさせた。

 業務内容はパソコンやスマートフォンのトラブルからホームページの更新、このほか知識を生かせる専門的な仕事も受け付ける。「寒川でも仕事ができるという見本になれば。出張サポートなので立地的には不利ではありますが、今後、プラスになる要素を探していきたい」と話し、「将来的には県が進めるプログラミング教育にも携わっていければ」と抱負を述べている。

 町内ではこれまで3人の協力隊員が任期を終えており、3人とも町内に定住。うち、近藤さん含め2人が起業している。

 近藤さんへの問い合わせは「そうがわパソコンサポート」で検索。

写真=パソコンを前に近藤さん