連日、大変な猛暑である。「猛暑日」という言葉が気象用語に登場したのは2007年。11年経ち、40度超えの記録も珍しくなくなった今、かつては猛暑日と同じ意味で使われていた「酷暑日」を、40度以上を指す言葉として日常的に使わなければならなくなるのではないか◆「危険な暑さ」とニュースでもよくいわれる。注意すべきは熱中症。小まめな水分補給が何より大事だ。一気にガブ飲みしては逆効果。血中の塩分濃度が薄まって尿も多く出て、かえって脱水になりやすいとか。20~30分おきに小まめに少しずつ飲むのが基本という◆85歳の母は脳梗塞で倒れて以来、季節を問わずとにかく水をたくさん飲むよう心がけているが、夏になるとさらに「スイカが食べたい」とよく言い出す。高齢なのにあまりたくさん食べるのもと少量のパックなど買っていたが、先日久しぶりに大玉スイカをいただいた。食べきれるかと危ぶんだが、実際に食べ始めてみると、すいすいといくらでも食べられるのに驚いた。食べたあと、体の調子もすっきりしたようだ◆調べてみると、スイカは水分が豊富なだけでなく、糖分、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルも含まれ、塩を少し加えればスポーツドリンクと同様の効果が期待でき、熱中症予防にはまさにもってこいの食べ物。標準体重をはるかに超えている筆者としてはカロリーも気になるが、ほとんどが水分なのでカロリーは格段に低く、食べすぎて太ることもまずないとか。昔から日本人が夏にスイカを食べて暑気を払ってきたのは、極めて理にかなっていた◆体の声に耳を傾けて、小まめに必要なものを補給するのが一番。ケチケチせず、母にもスイカを食べたいだけ食べてもらって8月を乗り切ろうと思う。(里)