第64回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山大会は30日と1日の2日間、紀三井寺公園補助競技場で開かれ、男子16、女子12の計28種目で熱戦が展開された。日高地方勢では男子砲丸投げ3位の嶋本藍聖選手(御坊中3年)と同4位の小林聖選手(南部中3年)がそろって第45回全日本中学校陸上競技選手権大会(8月18~21日、岡山県・シティライトスタジアム)の参加標準記録を突破し、同大会の出場権を獲得した。

各種目とも、参加標準記録を突破した選手が夏の全国大会の出場権を得られ、記録は今秋の国体出場選手選出の参考にもする。夏の全国大会へは今後、中体連県大会で参加標準記録へ再挑戦できる。

嶋本選手は予選、決勝各3投のうち4投目に13㍍36をマーク。2投目で参加標準記録13㍍00を突破すると、3、4投目と〝飛距離〟を伸ばしていった。大会の10日ほど前から調子がぐんぐん上昇。数日前になると自己ベスト12㍍60を大きくオーバーできるようになり、「自信を持って」本番を迎えた。1投目こそ12㍍台だったが、「いい投げができた」という2投目に13㍍02の好記録。4投目は「思い通りに投げられた」と会心の一投を見せ、さらに自己ベストを塗り替えた。180㌢の長身ながら体重は73㌔と男子の投てき選手では細身の体型。筋力がアップすればまだまだ記録を伸ばせると周囲の期待も大きい。3位入賞の賞状を手に「毎日、一投一投丁寧に投げてフォームを固めてきた成果だと思う」と笑顔いっぱいに話し、「もっと技術とパワーをつけ、全国大会では決勝進出、13㍍80を目標に頑張りたい」と一層の飛躍を誓った。

小林選手は6月下旬に右太ももを痛め、1投目は12㍍台後半。2投目で標準記録を超える13㍍13をたたき出し、以降は決勝も含めて全てパスした。冬場の走り込みで下半身を強化したことで安定感が増し、4月に自己新の13㍍87をマーク。調子を上げてきたなか臨んだ大会だったが、本来の力を発揮できないまま終わり、「標準記録突破にはホッとしたけど、大会新を狙っていたので悔しい」と振り返った。全国大会出場は昨年に続き2回目。1年前は記録が伸びず予選落ちしており、「ことしはけがを早く治して万全の体調で臨み、15㍍50以上を投げて優勝したい」と強く雪辱を誓った。

写真=全国出場を決めた嶋本選手㊤と小林選手