みなべ町の小売店や梅加工業に関わる女性で組織する「みなべおかみ元気会」(岩本恵子会長)は、世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」を紹介する絵本「みんなおいでよ おまつりだ」(イラストレーター・松下恭子さん作)を製作。子どもたちに梅システム概要や地域の魅力などを伝えようと、19日に町立図書館ゆめよみ館に寄贈した。
 同会は昨年度にみなべ・田辺地域世界農業遺産推進協議会の住民提案型地域活動支援事業補助金を活用し、1㍍×0・7㍍の大型絵本を作った。蛇腹状の構造で、全部広げると長さが約10㍍になる。製作は埴田在住の松下さんが行った。ストーリーは、主人公の亘(わたる)くんが梅の花が咲く早春に里まつりに出かけ、途中で梅システムと関連が深い梅干し、ミツバチ、ウバメガシを誘う。会場には山の動物たちも訪れ、大にぎわいするという内容。
 今回寄贈した絵本は大型絵本を基にB5判の大きさで製作。低学年用と高学年用の2種類を作った。基本的な内容は同じだが、高学年用には梅干しが健康にいいこと、ミツバチが梅の授粉に役立っていること、ウバメガシの資源を守るための択伐が行われていることなどの知識が盛り込まれている。
 おかみ元気会の岩本会長ら4人がゆめよみ館を訪れ、低学年用と高学年用各1冊を上村浩平館長に手渡した。上村館長は「地域の貴重な資料として大切に保管し、館内で行っている読み聞かせなどで活用していきたい。図書館としても地域おこしに取り組んでいきたいし、おかみ元気会が行っている活動にも協力していきたい」と感謝を述べ、岩本会長は「歴史や豊かな自然があり世界農業遺産に認定された素晴らしい地域に住んでいることを、将来を担う子どもたちに知ってもらいたい」と話していた。20日には田辺市立図書館にも寄贈した。