先日、御坊ロータリークラブの例会の卓話で、澤法律事務所(和歌山市)の弁護士澤尚美さんから性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「性暴力救援センター和歌山 わかやまmine」について聴いた。
 通常、性暴力被害を受けた女性は産婦人科で緊急避妊薬の処方を受けたり、けががある場合は外科、精神的被害がある場合は精神科、警察への通報、弁護士への相談など、しなければならないことがたくさんあり、またそれらの知識も必要になる。センターはそういった手続きや相談を1カ所で受け、対応を支援する。わかやまmineは県立医科大学附属病院内に拠点を置いているため、緊急避妊薬の処方や外科などの手配を迅速に行うことができるほか、警察へ通報しない場合でも将来的なことを考え証拠採取をすることができる。
 吉澤弁護士によると、相談件数は電話、来所合わせて25年度97件、26年度は311件、27年度482件と増加。被害者の半数以上が10代であること、加害者のほとんどは被害者と顔見知り、配偶者や交際相手からの被害もあるという。
 卓話で気になったのは性的事件の被害者の警察への申告率が18・5%(平成24年犯罪白書)で、強姦事件では4・3%と非常に少ないことだ。被害に遭っても誰にも打ち明けれない人が多い。繊細な問題なため気持ちはわかるが、同様の被害を減らすためにも警察への連絡は必要。そのためにもこういったセンターの役割は大きい。まだまだ紀南地方での知名度は低いが、多くの人に周知してもらい、被害者のサポートとともに犯罪の抑止力としての効果も期待したい。わかやまmineへの相談は℡073―444―0099。