県内の5つの工業系学科設置高校の生徒らが学校で取り組んだ課題や研究の成果を発表する第33回工業教育研究発表大会が19日に田辺市の紀南文化会館で開かれ、作文部門で紀央館の田中準君(3年)が、同校初となる最優秀賞を受賞。ポスターセッション部門では同校の計(はかり)隼弥君、玉置皓平君(いずれも3年)が研究賞に選ばれた。
 紀央館のほか和歌山工業、紀北工業、箕島、田辺工業の5校から生徒ら650人が参加。
 作文は高校生活で感じたことなどをまとめ、内容や発表の仕方などが評価される。田中君は「工業LIFE」と題し、自身の3年間を紹介。内容は、2年生に上がったころ、ある企業に魅力を感じ就職したいと思うようになった。それからは気持ちを改め、授業を真剣に受け、資格取得にも取り組み、第二種電気工事士に合格。3年生になると生徒会長も務め、就職試験では目標だった企業に見事合格した。
 このことから「頑張れば頑張った分だけ自分に返ってくることを学んだ」とし、「将来何か困難なことが起こっても、前向きに頑張っていけると思う」と締めくくった。
 内容に加え、全文を暗記して堂々と発表したことなどが評価された。受賞に際し「発表の仕方など、先生に付き添って指導していただいた成果を出すことができてうれしいです。自信はありましたが、最優秀賞には驚いています」と話している。平成15年の校名変更以降では、初の最優秀賞となった。
 ポスターセッション部門には23組が参加。取り組みをまとめたポスターの前で説明し、計君と玉置君は、生徒7人で取り組んできた鉄板を使った恐竜プテラノドンの模型作りを紹介。会場に実際の模型を展示し、来場者に溶接や頭のバランスなど難しかった部分や工夫したことを説明した。