今月15日にインドネシアのジャカルタで開かれた世界津波の日(11月5日)シンポジウムに、日高高校1年生の中井充歩さんが参加。11月に高知県黒潮町で開かれた「高校生サミット」の成果をスピーチし、過去のさまざまな経験を共有し、未来へつなげていくことの大切さを訴えた。
 シンポジウムは「世界津波の日」関連行事の総括となる取り組み。インドネシアのユスフ・カラ副大統領をはじめ東アジア・ASEAN経済研究センターの西村英俊事務総長、衆院議員の福井照氏ら関係者が参加。高校生サミット参加者として、高知県とインドネシアから2人ずつ、日高高校から中井さんの合計5人が英語でスピーチを行った。
 中井さんはサミットの際、東日本大震災の被災者が言った「過去について語ることが未来につながる」の言葉に感銘を受けたことを話し、「過去のさまざまな経験を皆で共有するとともに、未来につながる行動を個人個人がして、意識を高めていくことで津波被害を減らすことができると感じた」と訴えた。スピーチのほかシンポジウム参加者の講演なども聞き、津波への意識を高めた。
 シンポジウムを終え、中井さんは「日本は地震が多いが、死者の数はインドネシアの方が多い。同じ課題を持った両国が協力関係を築き、世界の防災意識を高める役割を担っていくべきと感じた」と話し、「『津波の日』はこれからも続いていきますので、私もサミットに向けて生徒用に発行した防災だよりを地域に広げていくとともに、御坊にいる外国人の方向けのリーフレット発行も考えていきたい」などと、世界を視野に入れた取り組みに意欲を見せている。