「『最近の若者はダメだ』と、昔から言われているが、特にいまの若者はひどい。まず、当事者意識が完全に欠如している。さらに、独り立ちをしようとせず、常に何かに依存し、消費し、批判するだけ。これはゆゆしき事態であり、日本社会のありかたにかかわる重大な問題である」。
 こう論じたのは日本の医学者で元慶應義塾大学環境情報学部教授の小此木圭吾さんだが、実は40年前の1977年の話。いつの時代でも「最近の若者は...」と常に批判されているようだ。
では、本当に最近の若者はダメなのだろうか。スポーツ界でみてみると、いまの若者の活躍は目覚ましい。野球は、若者というには少し年季が入っているがメジャーリーグのイチロー選手が日米通算3000安打を達成。日本の球界でも大谷翔平選手が投手と打者の二刀流で世間を沸かせている。フィギアスケートでは羽生結弦選手や浅田真央選手が活躍。サッカーでも海外でプレーする岡崎慎司選手や本田圭佑選手らも好成績を残している。昔よりも世界で活躍する若者が増えているのではないだろうか。日高地方に目を向けてみても、スポーツで有名な高校や大学に入学して頑張ったり、近畿や全国の大きな大会で戦ったりしている子どもたちも多い。どちらかと言えば「いまの若者はダメ」というより、「いまのおやじ連中はダメ」と言われてもしょうがないかもしれない。
 いま、ブラジルのリオデジャネイロでは4年に1度のオリンピックが開催中だ。日本は水泳や体操などで金メダルを獲得するなど幸先のよいスタートを切った。若者たちが日の丸を背負って頑張り、日本中に大きな感動を与えている。その尊い汗と涙に心から拍手を送りたい。 (雄)