みなべ町に事務局を置く民間災害ボランティア団体「紀州梅の郷救助隊」(尾崎剛通隊長)は15・16日、4月に発生した熊本地震で大きな被害を受けた熊本県阿蘇市で復興支援活動を展開した。隊員ら7人が出動し、現地で倒木などの撤去を実施。地元住民らからは「遠い和歌山からよく来てくれて、助けてくれた」と涙ながらに感謝する姿もみられた。
 地震発生後の4月22・23日にも第1陣として南阿蘇村に入った。住民から寄せられた日用品や食料品などを届けたほか、被災者に茶粥を炊き出して提供した。その後も現地に滞在していた同隊隊員で兵庫県西宮市の災害コーディネーター高砂春美さんと連絡を取り合いながら「重機などが使える専門的な人手が不足している」という現地の要望から今回2回目の出動となった。
 14日に役場を車で出発し、フェリーを使って現地入り。今回の熊本地震のほか以前からの大雨や台風などで傾いたり、倒れたりしている不要なスギやヒノキなどを切り倒して処理した。チェーンソーで木を運びやすい長さに切断し、重機を使って搬出するなどの作業に取り組んだ。その姿を見た地元住民たちは「わざわざ遠くから復興の手助けに来ていただいた」と涙を流して話し、1日目の作業が終了した夜にバーベキューの招待も受けて現地の住民と交流を深めた。救助隊からは紀州みなべ生産者協議会と紀州みなべ梅干組合らから託された梅干しなどを提供した。今回一般から初めて参加したという町内の男性は「片道15時間かけて行き、現地の要望に合った作業に取り組んだ。阿蘇市の人たちにも喜んでもらえてよかった」と話し、尾崎隊長は「1回目は炊き出しが中心だったが、今回は本来の仕事ができたのでよかったと思います」と振り返っていた。