13日に紀三井寺公園野球場で開幕する第98回全国高校野球選手権和歌山大会は抽選会も終わり、熱戦を待つばかり。地元勢は和歌山南陵が初陣、紀央館、日高中津がシード校で、楽しみな大会となりそうだ。
 各ゾーン別に展望してみると、Aゾーンが最激戦と思われる。昨秋の近畿出場校で好投手を擁する高野山をはじめ、昨年夏の主力が残り近年古豪復活の活躍を見せている箕島が入る。シードの日高中津は日高と9年ぶりに兄弟対決。6月の定期戦では両チームともエースを欠く中も日高が大勝しており、春季県予選4強の分校か勢いに乗る本校か、大いに注目している。同予選8強の南部龍神も差はなく、本当に見どころが多い。Bゾーンはシードの有田中央、初戦で同校とぶつかる強打の和歌山商、秋季県予選3位の和歌山東が軸か。県和歌山と対戦する和歌山高専は強豪にもひるまず戦う粘り強さがあり、7年ぶりの1勝へ期待が膨らむ。Cゾーンは春季県予選優勝で昨年の覇者・智弁和歌山と、今春のセンバツ出場校・市和歌山の2強の様相。和歌山南陵はいきなり智弁和歌山と激突となったが、1年生ばかりのフレッシュな戦力、元プロ野球選手の采配で和歌山の球史にどんな一歩を刻むのか目が離せない。Dゾーンにはシードの紀央館と南部が並ぶ。近年、夏にめっぽう強い紀央館だけに、初戦突破で波に乗れば一気に駆け上がりそう。対する南部も戦力には自信を持っており、3回戦で地元勢対決が実現すれば面白い。
 3年生最後の大会。ゲームセットの瞬間まであきらめない全力プレーがドラマを生み、思わぬ展開になることも多い。記者になって21年目の夏、「今度こそ地元勢V」の思いを強くしている。(賀)