日高町商工会と同町旅館民宿組合が企画していたベトナム観光客誘致の取り組みが、いよいよ本格始動する。8日には関係機関とスクラムを組んで「日高町海外観光客誘致委員会」を設立。8月中にベトナム中学生らのホームステイ受け入れ、9月に現地視察も計画。昨年12月に関西国際空港にベトナムからのチャーター便が運航開始されており、いち早くベトナム観光客を取り込みたい考えだ。
 国内ではインバウンド(訪日外国人観光客)が増加傾向にあり、2020年で年間2000万人の目標はすでに射程に入り、さらに4000万人に引き上げる案も浮上しているほど。人気の観光地は、大阪、京都、名古屋、富士・箱根、東京のいわゆる「ゴールデンルート」となっているが、近年地方の観光地も注目されてきている。特に日高町は関西空港から車で約1時間という距離にあり、インバウンドの誘致には好条件。そこで、昨年12月に関西空港にLCC・ベトジェット航空のチャーター便が初就航し、増加傾向にあるベトナムの観光客誘致に着目。同町のクエ、温泉館、黒竹などの観光資源を活用しながら日高地方の広域的な観光振興にもつなげていき、クエや海水浴シーズン以外の閑散期対策にもしていく。
 同町海外観光客誘致委員会は、商工会、旅館民宿組合、観光協会、町議会、日高町、日高振興局などで組織。第1回会議は8日午後2時半から商工会館で開き、役員選出などを行う。すでにベトナムの旅行エージェントを通じて、8月中に現地の中学生10人と大人10人が2泊3日で日高町に滞在し、地元中学生との交流やゴミ分別の学習を行う計画があり、同委員会で受け入れ態勢を整えていく。この旅行エージェントは、近くベトナムに日本への観光客を送り込む会社を設立する予定で、今後、同町への観光客誘致のキーマンとしても期待されている。また、委員らは9月にベトナムの市場視察を行い、日本総領事館も訪れる。
 公益財団法人わかやま産業振興財団のわかやま中小企業元気ファンドに助成金申請も行っており、認可されれば、専門家の派遣を受けての観光ルート作りや外国語の観光パンフレット作成なども進めていく。