タバコが吸えるスペースが減っていき、何かと煙たがられる喫煙者だが、もっと肩身が狭くなるかもしれないという。タバコから出る煙を吸う「受動喫煙」に続き、近ごろ「三次喫煙」による健康への悪影響が懸念されている、というニュースを見た。タバコの煙は服、髪の毛、壁、家具等に触れると成分がくっついて残り、その残留物が空気中の物質と反応して、発がん性をはじめとした有害物質に変わる可能性があるそう。それを吸い込むのが三次喫煙で、アメリカの医学誌に概念を紹介した論文が掲載されたのがきっかけで知られるようになり、日本でも徐々に注目されているという。
 先日、御坊労働基準監督署と県労働基準協会日高有田支部の全国安全週間(7月1~7日)に関する説明会があり、ここでは県立医科大学保健看護学部教授で労働衛生コンサルタントの森岡郁晴さんが「職場における受動喫煙の防止」をテーマに講演。喫煙者本人への健康被害や受動喫煙について語り、興味深く聞いた。受動喫煙による肺がんと虚血性心疾患の死亡者数は年間約6800人と推計されており、そのうち職場での受動喫煙が原因とみられるのは約3600人。交通事故による死者数に近い数字という。
 他人のタバコの煙を吸わされることで健康に悪影響が生じるのは大きな問題。筆者もタバコを吸うが、わがままながら、臭いも他人の煙も嫌いだ。昨年の6月1日から職場の受動喫煙防止対策が事業者の努力義務になっている。うちの会社は屋内全面禁煙。皆さんの職場はどうだろう。受動喫煙、三次喫煙で職場の仲間ら大切な人の健康を脅かさないよう気をつけなければならない。 (笑)