日高町観光協会内徳報会を中心に日高地方の関係団体でつくる「徳本さんで日高おこし隊実行委員会」が、19日に設立された。来年10月に同町志賀の誕生院で行われる江戸時代の念仏行者・徳本上人(1758~1818年)の200回忌法要に向けて、上人の遺徳をたたえ、観光や産業振興につなげていくのが目的。ことしは学生とのコラボ企画やゆかりの料理開発、語り部育成などを企画していく。
 徳本上人は志賀の久志地区が生誕の地で、27歳の時に出家して想像を絶する荒行をしたことで有名。200回忌法要に向けては昨年から徳報会がゆかりのそば栽培をスタートさせるなどの取り組みを展開しているが、今回、町外も含めた関係団体とスクラムを組んで、日高町だけでなく日高地方全体の広域的な地域活性化に結びつけていこうと、実行委員会を立ち上げた。名称にある「日高おこし」は、「おこしやす」と「まちおこし」の2つの願いを込めた。委員会のメンバーは徳報会やJA紀州、中紀バス、南海バス、比井崎漁協、町、教育委員会、商工会、地元区、日高仏教会の有志らで構成している。
 設立会議は中央公民館で行われ、委員ら19人が出席。規約を確認したあと、役員選出で名誉会長に元日高町長の志賀政憲氏、会長に湯川泰嗣氏を選出。今後の事業計画では、ことし5月に展示会などのプレイベントを開催。劇団RAKUYUに依頼して徳本上人のオリジナルストーリーの公演もできないか検討していく。7月には和歌山大学、和高専、日高・紀央館高校の学生や生徒に協力を求め、物産販売ができるような「大八車」を製作したり、若いアイデアを生かした取り組みを行ったりする。このほか、徳本上人が日ごろ食べたとされるそば粉やはったい粉を使ってJA紀州の女性部に料理開発をしてもらう。徳本上人と俳人小林一茶が一緒に信州を旅したことにちなんだ俳句コンクールや故郷の偉人について紹介できる語り部養成のための「学び塾」など、多彩に企画していく。湯川会長は「貧しく清らかな念仏行者を多くの人に知ってもらいたい。もてなしの心を大切にして、200回忌法要の成功に向けて頑張りたい」と述べた。同席した冨安民浩県議も「徳本上人を広く知らしめ、地域を元気にするのはいい発想。私もお手伝いしたい」と約束した。
 同実行委員会の副会長以下は次の皆さん。
 副会長=井上純、藤田雅寛▽会計=井垣弥▽総務部長兼事務局=金﨑昭仁▽企画部長=楠原晃紹▽渉外部長=杉村邦雄▽監事=皿山守