埼玉県和光市で行われた日本最大級の鍋料理コンテスト「ニッポン全国鍋グランプリ2016」は最終日の31日、来場者の投票による結果発表が行われ、初参戦した日高町九絵の町づくり推進実行委員会(山田理司委員長)の「本場天然クエ鍋」が、見事銅の鍋賞(3位)を受賞した。さらに上位3位が対象となる「J―ブランド鍋」に認定され、2020年のグランドチャンピオン大会への出場権も獲得した。
 和光市商工会などでつくる実行委員会主催の鍋グランプリはことしで12回目となり、全国各地の自慢の鍋の60チーム(うち1チーム棄権)が参戦。牛肉や豚肉、カキ、ホルモン、カニなどを使った鍋を1食300円から600円で販売した。来場者は30、31の両日で延べ14万人、さまざまなおいしそうな鍋のにおいが漂う中、まさに人、人、人でごった返すほど盛り上がっていた。
 日高町は同委員会の山田委員長や松本秀司町長、清水正巳議会議長、民宿、商工会関係者、町職員ら18人が参加。クエは両日合わせて地元産の天然もの180㌔分、1000人前を用意して1杯500円で販売した。めったに食べられない〝幻の高級魚〟という前評判で既報通り初日は約2時間で完売したが、2日目は前日に食べられなかった人が殺到したり、テレビなどのメディアに取り上げられたりしたこともあって、開始前から100人を超える長蛇の列。調理係は目の回るような忙しさとなったが、毎年行っているクエ・フェアでのノウハウを生かしてスムーズにこなし、配膳係もにこやかな表情で1杯1杯を手渡していた。結局、この日もあっという間に売り切れて、来場者から「脂に甘みがある」「本場のクエはおいしい」と大好評。食べられなかった人からは「ぜひ食べてみたかった」「また来年食べにきたい」などの声が聞かれた。
 表彰式では、審査員特別賞や和光市長賞、協賛者賞などのあと、上位6位を順に発表。3位のクエ鍋の名前が呼ばれると、メンバーは大感激で、全員で壇上に上がり、賞状やトロフィー、J―ブランド鍋の認定証を受け取った。金の鍋賞は「牛すじシチュー(和光市)」、銀の鍋賞は昨年覇者の「もちぶた炙りチャーシューバージョンとん汁(千葉県八千代市)」。各チームの得票数は公表されていないが、他チームが2000、3000食を用意する中、日高町のクエ鍋は1000食限定というハンデを背負いながらも、素材のよさを生かした鍋で評価を得た。東京オリンピックの年に開催されるグランドチャンピオン大会は、過去のJ―ブランド鍋認定チームが参戦する頂上決戦となる。
 山田委員長は「初参戦での3位は本当にうれしい。次回の機会を得られるなら、グランプリを目指したい。参加して日高をPRできたことは本当によかった」と大満足の様子。松本町長も「多くの皆さんの温かい投票に感謝。〝チーム日高〟の頑張りで入賞でき、大変うれしく思う。また、マスコミ各社やユーチューブで取り上げられ、クエ鍋と日高町をしっかり宣伝できた。最高の形で終われて感激」と喜んでいる。