世界の人の左利きの割合は平均10%ぐらい。少数派の左利きの人は、普段の生活で不便だと言われる。例えばハサミや駅の改札口、包丁などは、右手で使いやすいようになっているからだが、そう言っている筆者も左利き。ペンを持つ以外は、はしを持つのもボールを投げるのも全て左。ただ、慣れがあるのでそれほど不便は感じない。ペンだけ右になったのは、多分「ペンは右手で持つもの」と学校で教えられたためだと思うが、昔はそうやって直された人が多く、完全に右利きに矯正された人もいるのではないだろうか。
 先日、内原小学校3年生39人が日高町役場の社会見学に訪れ、職員から仕事内容などで説明を受けて熱心にメモをしていた。その様子を見てちょっと驚いたのは、左手で書いている児童が3人いたこと。39人に対して3人だから、ほぼ世界の人の平均通りだが、ペンを右手で持つよう矯正されなかったのだろう。
 少しネットで調べてみると、実は左利きを右利きに矯正するのはよくないという話があった。子ども時代に左手を使うということは、無意識に左手の方が機能的に優れていることを察知しているからで、そのままの方がいろいろなことを上手にできるらしい。また、無理に直そうとすると、子どもの自身喪失やコンプレックスになる恐れもあるという。近年、子どもの教育では、個性や能力を伸ばすことが重要視される。左利きもまたそんな個性の一つとして大切にしていけばいい。ちなみにアインシュタイン、ピカソ、王貞治、松本人志ら有名人も左利き。筆者は凡人だが、左利きは器用や天才肌とも言われるので、その能力を生かそう。(吉)