県やERIA(東アジア・アセアン経済研究センター)などが主催の「アジア・オセアニア高校生フォーラム」の全体会が5日、和歌山市内の県民文化会館大ホールで開かれ、海外の20カ国・地域と県内外の高校生が、世界共通の課題について意見を交換した。3校ある県内幹事校の1つとなっている日高高の生徒も舞台に上がり、英語を使って防災、環境問題について意見を述べた。
 昨年、日高が創立100周年記念事業としてアジア16カ国・地域を招待して実施した事業で、ことしは県が主催し、オセアニアも加えた20カ国(21カ国目のカタールは欠席)で行った。
 参加国はインド、インドネシア、オーストラリア、カンボジア、シンガポール、タイ、韓国、台湾、中国、トルコ、ニュージーランド、ネパール、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、香港、マレーシア、ミャンマー、モンゴル、ラオスのそれぞれ高校生1人と教員1人ずつ。また県内からは幹事校の日高、那賀、田辺の3校のほか8校、県外からは4高校、1高専が参加した。
 フォーラムは4日に分科会を開き、海外、国内の生徒たちが幹事校の3校に分かれて、それぞれプレゼンテーション。プレゼンのテーマは防災対策、観光・文化交流、環境問題の3つあり、海外各国と幹事校以外の学校は1つ、幹事校の3校は2つを担当し、発表した。
 5日の全体会では、仁坂吉伸知事が英語で積極的な交流を呼びかけた後、プレゼンに入った。最初のテーマは防災対策。中国、インドネシア、ネパールなど日高が担当する各国の生徒が順に数分ずつ考えを述べ、日高からは2年生の北原侑季さん、津村佑夏さん、土井詩織さんの3人が発表。過去の地震から学ぶ防災対策について述べ、同校の生徒313人に実施した記憶に残っている災害、家庭での防災対策などのアンケート結果を紹介。まとめとして食糧や水の備蓄、家族での避難路について話し合う、地域の防災対策を知ることなどの重要性を訴えた。あいさつを含めフォーラム中の発言はすべて英語で行われ、日高の生徒たちも練習の成果を発揮し、堂々とした態度で発表。日高の生徒は環境問題の分野でも発表し、アジア・オセアニア各国の生徒と積極的に意見を交わし、若者同士の友好へ絆を深めていた。