JA紀州(久保秀夫組合長)は、3日で終了したみなべいなみ地区の梅の販売状況をまとめた。南高梅の出荷量は前年比13%減となる2954㌧で、目標の3200㌧に対して92%となった。半面、価格は5日現在の速報値では南高梅(10㌔入り箱)がキロ当たり324円となり、前年の303円を上回る見込み。同JAでは「ことしは雨不足で小玉傾向だったことが大きい。価格は全国的な不作傾向などが要因で、前年よりアップしそう」と話している。
 南高梅の集荷受け付けは、昨年より2日早い5月27日から開始。収穫前には平年並みの作柄が予想されていたが、梅の郷支店(谷口)の気象ロボットの観測では5月の降雨が前年同月比で29%と少なく、実太りが進まなかったことが影響して出荷量が伸び悩んだ。生育も昨年より早く、収穫のピークは6月7・8日で例年より1週間早まった。この影響で早い時期に梅が落下し、青梅としての出荷量に響いたことも要因とみられる。目標の数量を下回ったのは、不作だった平成24年以来3年ぶり。
 半面、価格は大きく値崩れすることなく推移。5日現在で集計されている速報値では、データに反映されていない数量が30㌧程度あるが、前年の価格を上回っている。同JAの担当者は「全国的に不作傾向だったことに加え、量販店への消費宣伝活動に力を入れたこともある」と話している。晩稲の農家男性(61)は「収穫前は平年並みと予想されていたが、思ったより少なかった」と話している。