日高町方杭地内、温泉館「海の里 みちしおの湯」の食堂は、新たに町内の主婦らでつくる「みちしお会」が運営していくことになった。当初から民間業者が運営していたが、町側が地元の産業振興につながる活用をしようと方針転換。同会メンバーの農業、漁業関係の主婦らが、地元の食材を使った料理を提供する。12日から開会する6月議会に関連の補正予算を提出し、可決されれば今夏からのオープンを目指す。
 食堂運営の民間業者は、昨年12月末で退去しており、町では昨年10月からことし4月まで5回にわたり新たな出店業者らを募集。年間使用料の値下げにも踏み切ったが、結局希望者は見つからなかった。このため、民間業者らの出店という形ではなく、町の魚や農産物をメーンに提供し、地元産業振興にも貢献できる食堂にしてもらおうと、地元主婦らに運営を依頼したところ、引き受けてくれることになった。
 メニューや価格など具体的なことは今後話し合っていくが、担当課では「うどんやカレーなど定番のものだけでなく、例えば地元でとれた魚の刺し身定食や煮付けなどを考えてもらえれば」と話している。オープンに向け6月議会で承認を求める一般会計補正予算は670万円で、調理機材の購入や運営補助に充てる。予算のうち100万円は、県の地域活性化アグリビジネス支援事業で補助を受ける。
 町によると、温泉館は平成12年6月オープン。昨年はレジオネラ菌の発生に伴う長期休業で来館者が減少したが、例年は年間5~6万人が利用。食堂が新たに生まれ変われば、地元の産物をPRする場にもなると期待されている。