日本野鳥の会和歌山県支部と県、市町村などによるガンカモ類の冬期生息調査が行われ、ことしは河川、池、ダムなど345カ所で調べた結果、昨年より1048羽多い1万593羽のカモ類を確認。日高川では例年並みの842羽が確認されたが、一部で生息場所の変化がみられ、平成23年の台風12号豪雨の影響が続いているとみられている。
 県自然環境室によると、ことしは先月11日を中心に、野鳥の会会員、県・市町村職員ら延べ約120人が参加して調査を実施。ハクチョウ類とガン類は1羽も確認されず、カモ類の渡来数が多い河川は紀の川が2232羽、日高川が842羽、古座川が810羽などとなっている。
 日本野鳥の会県支部によると、日高川で確認されたカモ類の数は昨年と同じで、個体数としては例年並み。しかし、台風12号豪雨以前、御坊市の天田橋上流左岸でよく見られたホシハジロが3年連続で確認されなかった。
 同支部の沼野正博事務局長は「この現場は以前は船が多く係留されていた葦原だったが、そこが土砂で埋まって藻類などのエサがなくなったせいか、台風の前は50~100羽確認されたホシハジロやキンクロハジロが見られなくなった。日高川の個体数は台風の年の冬には減ったものの、翌年からは例年並みに戻っている」と話している。