御坊市介護保険事業計画策定委員会が12日に市役所で開かれ、第6期介護保険事業計画・老人福祉計画(平成27~29年度)を承認した。それによると、介護ボランティアに応じた評価ポイントの換金制度やオリジナル介護予防体操の考案、住宅改修安心ショップ(仮称)の指定など、新規事業が盛りだくさんとなっている。
 同計画の基本理念は①人間としての「権利と尊厳」が守られる・尊重される②人生100歳時代をめざし「健やかさと生きがい」を持って暮らせる③介護が必要になっても、住みなれた「なじみ」の地域で暮らし続けられる④持続可能で健全な御坊市型地域包括ケアシステムを構築する⑤いつでも・どこでも・だれもが「支え手」となれる意識づくりをめざす――。これに基づく重点課題は①医療と介護の連携②認知症支援③地域の力育成④介護予防支援⑤ケアの連続性⑥介護給付費の適正化⑦虐待の早期発見と予防⑧日常生活圏域の最適化――となっている。
 各重点課題で多彩な新規事業を盛り込んでおり、例えば認知症支援では75歳以上を対象に「マイライフ・アセスメントシート(仮称)」を作成。自分が認知症になった場合に希望する暮らしやケアの方法をあらかじめ記録しておくことで、判断能力が不十分になっても「本人らしい生き方」をサポートする。認知症ケアの拠点となるグループホームの新規1カ所設置、小規模多機能型居宅介護の複数設置も目指す。また、地域の力育成では介護支援ボランティア事業を導入。介護ボランティアに参加する高齢者の介護予防と定年退職後のセカンドライフの生きがいづくりを目指す事業で、ボランティア参加実績に応じてポイントを付与し、一定数が集まれば換金。元気な高齢者が介護保険料を実質的に軽減できる仕組みともなる。介護予防支援では、市民が親しめるオリジナルの介護予防体操をつくり、老人クラブと連携を密にしながら「元気度チェック」の項目を作って健康管理に役立てる。住環境については段差の多い家屋のバリアフリー化について地元工務店などと協力して支援。住宅改修にかかわる民間事業所を住宅改修安心ショップとして指定し、バリアフリー化の推進へ情報提供などを行う。