先月30日の知事選で3選を果たした仁坂吉伸氏の得票は26万6093票。本県の衆院小選挙区ごとにみると、3区は全体のうち約半数の票を獲得している。3区の有権者がいかに仁坂氏を信任し、期待しているかの表れで、知事としては県全体の発展を考えるのは当然だが、3区の有権者の信任と期待が高いことを心にとどめ、県政を進めてほしい。
 また、各市町村の投票率をみると、3区は比較的高い。特に市部は御坊市が47.53%でトップ、郡部も日高郡が63.6%で一番高かった。有権者の政治に対する意識が高いことを示しているが、これはとても大切なこと。近年、全国的に政治への不信感で無関心層の増加も言われるが、「政治家はだれでも同じ」と言って知らないふりでは、余計に何も変わらない。「自分たちが国を動かし、変えていく」、そんな気持ちの第一歩が投票行動である。小欄で何度も書いてきたことだが、投票は白票でも構わない。投票に足を運ぶということが、有権者が持つ権利の行使。「入れたい候補者がいないから投票にいかない」というのは、ただの怠慢と言える。確かに携帯のメールで投票でもできるようになれば、投票率なんて一気に上がるような気もするが、現行の選挙制度の中では仕方ない。不満があるなら、新しい投票の方法を提言するという行動を起こせばいい。
 とは言うものの、知事選での投票率が御坊・日高でも自慢できるほど高かったわけではない。だれかが「知事選で投票した人がもう1人連れていけば続く衆院選は2倍の投票率になる」と言っていたが、なるほど、衆院選の投票は「連れもていこら」でお願いしたい。     (吉)