県の新事業「大学のふるさと」制度第2弾に、由良町と摂南大学(寝屋川市)が決まった。同制度は県内の過疎地域の住民と、地域貢献活動に関心の高い大学とが協働で地域課題の解決に向け、継続的に交流する取り組み。学生が由良町へ来て高齢者訪問などを行って健康づくりをサポートしたり薬草の産地化促進、地域特産品の商品化へ向けた研究、開発などを地域住民と一緒に行ったりするという。摂南大には理工学部、薬学部、看護学部があり、専門的な知識を有する、意欲のある若い学生たちは過疎に悩む地域に大きな力になるのではないかと期待している。
 学生の力を活用しようという動きは最近になって増えてきている。日高町でも以前、阿尾地区に和大生が来て防災を研究。大地震、津波時への備えについて、参考になるアドバイスをもらった。その取り組みでは学生が地域の人たちの協力も受け、普段どの部屋で寝ているか(倒壊家屋からの救出に役立つ)、どんな薬を服用しているかなどを聞き取り調査。命を救うためにはこんなことも考えておかなければならないのだなと感心した。
 インターンシップ(就業体験)に高額の賞金を支払って学生を集め、社員らと協働で難題、事業創造に取り組んでもらうという試みを行っている大手IT企業もある。学生にはしがらみがないうえ、頭が柔軟。まずできないことから挙げてしまいがちな大人と違って、夢のある、おもしろいアイデアを出してくれる可能性が高く、日々新しいチャレンジが必要なITの分野では特に重宝されるのだと思う。
 由良町と摂南大の取り組みもすぐに成果が出るものではないが、「わかもん、よそもん」が町を変えるというから楽しみだ。(賀)