第30回成田山全国競書大会で特別賞の読売大賞を受賞した御坊市日高川町組合立大成中学校1年、手島千奈さん(12)=日高川町小熊=が、日中友好少年少女書道交流団の一員として中国の北京を訪問した。上位入賞者15人が競書大会会長で成田山新勝寺貫首の橋本照稔さんら書道家と訪れ、その場で作品を書いて見せるなどして中国の同年代の子どもたちと交流。手島さんは「余白の使い方など日本と中国の書の違いが印象的でした。立派な先生方にもお会いできて感激しました」と話していた。
 日本からは小学4年生から高校3年生までの上位入賞者が参加。橋本貫首のほか競書大会役員の高木厚人さん、山﨑照義さん、伊藤一翔さん、伊場英白さん、和田朱美さんら著名な書道家とともに4泊5日の日程で訪問した。北京市内のホテルで書道交流会が開かれ、日本の交流団と中国側の参加者計30人が5グループに分かれてその場で作品を披露。手島さんは、成田山入賞後の4月から練習に励んできた「萬里清風来」という言葉を書き上げた。指導の田中書院主宰、田中流慶さん(美浜町)から手渡されていた手本をホテルに忘れてしまったが、手本の文字の形やうまく書けた時の自分の字を思い出して用紙いっぱいに力強く書き、実力を披露した。手島さんは「3文字目まで書いた時に字が大きすぎると思い、〝風〟で調整しました。普段通りに臨んだつもりだったのですが、やはり緊張していたのかも知れません。何とかきれいにまとめられてよかったです」と振り返り、「書く前に、伊藤先生から『緊張せず、いつも通りに』と声をかけていただき感激しました」とにっこり。その後はパーティーに移り、あらかじめ勉強していた中国語で中国側の参加者と会話したり、プレゼントを交換するなど楽しく交流した。このほか天安門広場や万里の長城、北京五輪のスタジアム見学など観光も楽しみ、記念に日本の交流団全員で1㍍×2㍍の大作を合同で仕上げた。
 手島さんは中国訪問の印象について「日本では文字を用紙いっぱいに書きますが、中国は余白を余らせたり書き方も抑え方や払い方が違っていて、そこが興味深かったです。今度は中国の参加者が日本に来てくれるので、再会が楽しみです。もう一度中国に行けるよう、これからも励んでいきたいですね」と笑顔で話していた。