御坊市名田町野島、特別養護老人ホーム日高博愛園(小林隆弘理事長)はこれまで外国人の実務経験の場としてインドネシアから女性3人を受け入れたが、今度はベトナムの女性2人を新たに研修生として迎えた。介護の技術が発達していない国に博愛園が培ってきたノウハウが役に立てればと協力しており、民間レベルの国際交流に一役買っている。
 国は経済連携協定(EPA)に基づき、平成20年度から外国の介護福祉士や看護師の候補者を受け入れており、博愛園では21年1月から協力。インドネシアからの3人を受け入れた経緯があり、中には外国人にとって難関となる介護福祉士の資格を見事取得した研修生もいた。今月15日から新たに受け入れているのはベトナムのベ・ティ・トウ・ハンさん(23)とグエン・ティ・キム・アインさん(23)。母国の看護大学の同級生で、平成24年からともに現地の日本語学校で勉強したあと、ことし6月から来日して千葉県幕張の国際研修センターでさらに日本語と介護について学んできた。すでに日本語は十分に会話ができるほど上達しており、博愛園の利用者からの評判も上々。今後、3年半かけて実務経験を積み、介護福祉士の資格取得を目指す。
 ハンさんは「ベトナムでは介護の技術が発達していないため、私の祖母は長生きできませんでした。日本人の熱心な働きぶりは素晴らしく、私も経験を積んでいつか母国に帰って高齢者の助けになりたいと思います」と意欲的。アインさんは「外国で働きたいという思いがありました。日本のことは大好きで、特に生け花がいいと思います。これからしっかり介護の勉強をして資格を取れれば日本で働きたいと思います」と目を輝かせていた。