御坊市名田町上野地内、市道名田フラワーロード線の災害復旧工事がほぼ完成し、供用を開始した。同線は塩屋町から印南町印南までを結ぶ農免道路でもあり、農作業道だけでなく、国道42号と並行して両市町をつなぐ信号なしの時短ルートとしての利用も多いが、昨年9月の大雨災害に伴う通行止めで寸断されていた。約10カ月ぶりの開通に地元住民らは喜んでいる。
 現場はJA紀州野菜・花き集出荷施設「がいなポート」から南へ約200㍍、上野大橋北の道路で、昨年9月の台風18号の大雨で陥没。市は延長48㍍区間(幅員7㍍の2車線)で復旧工事を進めていた。道路の地中には農業用配管が埋設されている関係で、完成までの期間がやや長引いたが、ほぼ予定通り。今月4日から通行可能となっており、今後センターラインを引いてガードレール設置、周辺整備を進めて今月末までに全体完成となる。事業費は約1700万円。設計は薗の㈲成和測量設計事務所(出口哲也代表)、施工は上野の出口組(出口守代表)。
 担当課によると、今回大雨で陥没した要因については、現場から北側に向かって長い上り坂になっていること、道路中央部分が高くなっていることで、降った雨が大量に道路横の法面に流れ込み、道路を支える土とブロックが流出。復旧工事ではブロックを強固にし、排水もよくした。災害が発生した当時、議会では「他の区間でも同じような被害が出ないか」との心配の声もあったが、担当課は「同じような〝特異〟な地形はほかになく、大丈夫だと考えている」と話している。
 農免道路の沿線には日本一の生産量を誇るスターチスやスイートピーなどの栽培地があるが、道路が寸断されていたため農作物の運搬が不便だった。また、御坊市と印南町間が国道42号だと20分以上かかるのに対し、農免道路を使えば信号がなく、スムーズにいけることから、国道の迂回路として利用する人も多い。